中国というか、中国からの留学生の名誉回復のため、コメントしておきたい。今日、ネットを見ていると、中国からの留学生が減るのではないかとの記事が日経にあった。これに触発された。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1604R_X11C12A0000000/?dg=1 の記事を見て欲しい。もっとも、ネット会員でないと結論部分まで読めないし、僕も読めていない。
京都大学の場合、中国からの留学生の数は多い。僕自身の関わったのが何人になったのかは数えられないが、来日時点から関わっている留学生の数だけで10人を超す、すなわち1年間に2人程度だろう。ほとんど全員、勉学意欲に燃えていて、それは日本人以上である。他の研究科の博士課程に進学して以降も相談しにくる学生さえいる。
彼/彼女らは礼儀正しい。日本人なんか足元にも及ばない。当然、異国に来て頼れるのは指導を受ける教員ぐらいという要因もあるだろう。しかし、上記の博士課程に進学した学生は、何年も日本に住んでいるし、また日本企業に就職が決まったので別に僕を相手にする必要もないはずなのに、いつまでも礼儀正しい。
何故か。「文化として礼を重んじるから」と答えた留学生がいた。しかも、僕から見ると、中国の個々人は非常に慎重だと感じられる。日本の学生に対して感じる他力本願(すぐに質問しがちな性格)に対し、中国人は自分で考え、その結果として慎重なのだろう。これもまた、留学しているから頼れるものが少なく当然なのだろうが、日本人の「授業料を払ってるさかい、教えてもろて当然や」という普通のスタンスとは一線を画している。
まだ正式に大学に入学していない留学生(研究生という身分)の学生の多くは、この12月に入学試験を受ける。その試験に非常に不安らしい。留学し、入学試験に通らなければどうなるのか、彼/彼女らの立場から考えると不安は察して余りある。それに対し、僕からの最近の助言は、「尖閣の問題で中国からの受験者は相当減るやろし、今年はえらくラッキーやったね」である。彼/彼女らは半分納得して笑っているが、半分はそれでも不安そうだ。
僕は本気で、今年の留学希望者はラッキーだと思っている。せっかく研究生の身分にまでなって日本に留学しようとしている中国人には、多くの幸をと願う。
2012/10/18