川北英隆のブログ

経団連企業を切って捨てる

多忙なS氏を半年ぶりに迎え、馴染みの5人で議論した。いろんなテーマを扱った。その中で、今の経団連はおかしい、経団連企業は不要、市場から退出させるのが望ましいとの意見になった。
ここでの経団連には経済同友会を含んでいることに注意しておきたい。また、これらの団体に入っている企業のすべてをやり玉に挙げたわけではないことにも注意が必要である。
5人それぞれの議論の土俵が一致していたとは思えない。そこで、僕の解釈を交えて要点を示しておく。そうそう、S氏をはじめ、D、H、K(川北ではない)の各氏はそれぞれ論客として名前が知られている。
当日の経団連企業不要論の象徴はH氏の、日本で(銀行出資でもいいから)巨額のプライベートエクイティ・ファンドを作り、その資金で経団連企業を買収し、一度非上場にするのがいいとの提案だった。要するに、今の経団連企業の経営はお笑いだから(日本としてはお笑いで済まないのだが)、非上場企業にしてしまい、経営者と根性を入れ直したらどうかという意見である。
50歳だったと思うが、それ以上が社長になることも禁止したらどうかという提案もあった。当日の5人全員(2人は確認できていないものの)60歳を超えているはずだから、我田引水ではなく、客観的な提案である。現在の大企業の社長の多くは成功体験が強すぎるため、その体験の延長線でしか経営を考えられないのではないかとの趣旨である。ついでに、先月の「私の履歴書」今井某氏が書いた経団連での「実績」については「ふふ」という評価になった。
これに関連して、年寄りの社長は自分の在任期間中だけは悪いことが起こらないようにと考え、行動しがちだとの意見もあった。大きなリスクを取らないのも、その事なかれ主義からの発想だろう。念のために言っておけば、リスクを取ることと博打とは異なる。十分に状況を把握し、計算した上で取るのがリスクである。僕の趣味の領域に立った表現をすれば、博打は冒険、リスクを取るのは探検である。
もう一点、経団連の行動として、政治に口を挟みすぎることと、経団連は製造業中心の団体であり日本の産業構造を代表していないとの議論もあった。農業団体からの声と一緒で、そんな偏った声に耳を貸すのはどうかしている。ある意味、古びた体質を有しているからこそ、既得権益を守ろうとして必死に政治に口出しするのだろう。
この製造業に関しての議論は稿を改める。

2012/10/28


トップへ戻る