3年ぶりにベトナムを訪問した。前回は1999年12月、ハノイとサイゴンだった。今回はハノイとその北西部だけである。この13年間は、ベトナム経済の発展を考えるとあまりにも長い。
実際、出発飛行場だった関空で、いきなりショックを受けた。前回のベトナム旅行で使い残した5万ドン(200円)程度の紙幣を出発ゲートの席で調べていると、たまたま隣に座っていた日本在住のベトナム人が「懐かしい」と声をかけてきた。使い残しの札は(当時の最高額紙幣だったはずの)2万ドンを筆頭に、すべて紙に印刷されている。では現在はというと、札は20万ドンまであり、高額紙幣はプラスチック製になったという。オーストラリアと同じである。しかも、高額の古い札は流通していないらしい。実のところ、事前にベトナムからの留学生に現在の紙幣について確認するつもりだったが、時間がなかったのでサボっていた。
「ええ、大損やん」と大袈裟に思ったが、本当に大損かどうかは現地で挑戦してみるしかない。では、現地でどうだったのか。結論は、一番の小額紙幣である500ドンは使い道がなかった。そもそも、ベトナムでの高額商品は1000ドン単位で表示されているくらいだから。また、2万ドンは、ハノイで受取りを拒否された(同時に、擦れて印刷の薄れてしまったプラスチック製の2万ドンも受取り拒否された)。とはいえ、地方では受け取ってもらえた。
いずれにせよ、最近大きな注目を集めているベトナムはどういう国なのか。自分の目で確かめた状況を何回かに分けて報告したい。もっとも、ベトナムに滞在していたのは実質6日間だった。この間の日本は円安が一段と進んだ。どちらの国の変化が速いのかは、よくわからない。
2012/12/29