本日公表された2012年11月の貿易統計によると、輸出入の差額は引き続き大幅赤字だった。11月は輸出が少な目なので、この季節性を調整すると、8257億円の輸入超過となっている。
この赤字額は今年9月に次ぐ規模である。9月には環境税が適用される前の駆け込み輸入が多かったことからすると、11月の赤字規模は実質的に最高規模といえる。
この要因は、1つは輸出の減少である。輸出数量は底打ちの兆しがあるものの、金額が冴えない。地域別には、足を引っ張っているのがEUである。アジアも低調である。品目として、自動車には下げ止まりの気配がうかがえる一方、建設用機会や金属加工機をはじめとする一般機械類が減少している。
他方、輸入金額は高水準にある。輸入数量的にも目立って減少しているわけではなく、原油やガスなどの鉱物性燃料の輸入は高水準であるし、電気機器、輸送用機器などの製品輸入も高水準にある。
今後を考えると、毎月述べているように、この大幅な輸入超過の状態は当分続くだろう。輸入のうち、原発の可動が難しい中、鉱物性燃料の輸入は高水準を維持しよう。また、今後を考える上で、機械類の製品輸入動向に注意を払う必要があるだろ。
2012/12/19