川北英隆のブログ

京都の店・近又

近又は近江に由来する旅館である。京都の中心にあり、現在も料理旅館として営業している。その近又のお節料理を食べる機会があった。さすがに「上品」との表現がぴったしである。
以前、友人に子供が生まれたのを祝い、近又で食べたことがあった。夏、旅館の座敷での食事だった。その時に友人曰く、料理の味が薄いと。言い変えれば塩味があまりしないとの評価である。確かにそうかもしれない。とはいえ、漬物に醤油をかけて食べようとは思わない者にとっては、十分な味だと思ったが。
今回はそれ以来の近又だった。いろいろとお節料理を食べたが(極端に高いのはないものの)、これまでで一番ではないかと思う。塩味が薄く、その代わりに出汁の味がしっかりとする。椎茸や野菜の炊いたのには旨みがあり、ゴマメやモロコの煮付けは素材が生きていて最高だった。
一度、京都の雰囲気を楽しんでゆっくり食べたいと思うのならお勧めの店だが、濃い味、パンチのある味を好むのなら避けた方がいい。人それぞれというところだろう。

2013/01/01


トップへ戻る