実家から羊羹が届いた。本家源九郎餅・中嶋商店の羊羹である。郡山の旧市内、南の外れ付近に洞泉寺があり、その横に源九郎稲荷がある。その神社の近くに中嶋があり、源九郎餅を売っている。
源九郎稲荷とは、その名のように源義経に由来し、豊臣秀長の頃に郡山城に祀られたとのこと。今でも狐のお渡りの行事がある。小さい頃、いなり寿司をお狐さんにお供えした記憶がある。
そんなことはともかく、源九郎餅は薄皮の中に餡を入れ、軽く火であぶった和菓子である。中嶋はその和菓子で有名なのだが、実は羽二重、田舎などの方が美味いと思うし、僕は好きだ。要するに餡が上品である。
このため、最初に書いた羊羹も当然美味く、抜群である。有名和菓子屋の羊羹は大量生産され、味が没個性化しつつある。それに対して中嶋の羊羹は手作りである。残念ながら、毎日作られてはいない。年に数回の晴れの日向けのようだ。店主に言わせると、「採算に合わないから」とのことらしい。
ということで、届けられた羊羹を大事に食べようと思うのだが、美味いのですぐに胃袋中に消えてしまう。難しいものだ。
2013/01/19