エチオピアの主食は何か。これも独特のものがある。日本と同じく独自文化なのか。日本の炊いたコメのように、エチオピアではインジェラという、インドのナンの近いものが主食である。
正確にはナンのように小麦粉から作るのではなく、テフというイネ科の植物(日本では雑草と思えるような植物)の、アワより細かな種子の粉を乳酸菌入りの水で溶き、発酵させた後、クレープ状に大きく丸く焼いたものがインジェラである。写真では現地の若い女性がインジェラを焼こうとしている。
焼きあがったものは茶色い色をしていて、かつ発酵しているから気泡が多く、片面がブツブツしている。見かけはハチノス(牛の第二胃)に似ている。食べると独特の酸味がある。家庭によって菌が少しずつ異なるのか、味にも違いがある。
ネットで読むと旅行者の評判は良くないらしいが、何度か食べた限りでは(ただし大量に食べたわけでもない)、まあまあである。もっとも、テフの粉を溶いた水が問題で、焼きが足らないと食当たりする可能性があるかもしれない。
エチオピア人はこのインジェラを毎食食べるらしい。食べ方はインドのカレーと同じである。肉類、豆類、野菜を香辛料で炒めたもの、もしくは少しスープ状にしたものを、ちぎったインジェラに包んで食べる。それも右手の指をうまく使って。現地の家庭では数日分を一度に焼くとのこと。インジェラを焼くのは若い女性の役割で、嫁入りの前に練習するとも聞いた。
残念ながらテフの栽培はエチオピアに限定されていて、かつ現地でほとんど消費されるから、欧米では高級食材とか。日本でもエチオピア料理店があるらしいので、一度食べたいものだと思う。日本人向けになっているとは思うが。
2013/03/05