エチオピアの主要産業は農業である。工業は綿糸程度であり、皆無に等しいだろう。鉱産物は金を産出するらしいが、大した量ではない。家畜の頭数は多いのだが、それを輸出しているのか。
農産物(インジェラの原料のテフ、トウモロコシ、ウシ、ヒツジ、ヤギなど)はほとんど自国で消費してしまっているようだ。統計を見ると、家畜の飼育頭数は上位に入っているのだが、肉類の生産統計には出てこない。これらの生産は国内総生産(GDP統計)に反映されないのだろう。この結果、極めて貧困な国となってしまう。
では、アジアのように本当は豊かかと問えば、そうではないだろう。聞いたところでは、村の市場で売られているニワトリは1羽(日本よりも小さいが)400円、ヒツジ1頭は4000円程度らしい。エチオピアの最高紙幣は500円である。それで売買が済んでしまう経済である。
別の例をあげると、日本ではガラクタと思える金具が首都の市場で堂々と売られているし、地方に行けば空のペットボトルも売られている。南京錠の鍵も豊富で、旅行で失ったとしても、市場に行けば合うものが見つかるらしい。
観光地の小さなスーパーでビールを買ったところ、60円だった。しかし、ホテルに持って帰って飲みたいというと、50円余計に払わないといけない。瓶を返すと50円が返金されるという。エチオピアでは瓶が貴重品だからとの説明だった。
写真はアジスアベバの市場である。東アフリカ最大の市場とのこと。雑然といろんなものが売られているように見えるが、品物ごとに店が集中している。スリや言いがかりが多いというので、撮れた写真は少なかった。
2013/03/08