川北英隆のブログ

エチオピアは高原が高級

エチオピアの都市(大きな町)は高原の上にある。アジスアベバはもちろん、世界遺産の建造物のあるゴンダール、アクスム、ラリベラはいずれも2000メートル以上の高度に位置している。
この理由の1つは、海抜が低いと暑いし、蚊が多くてマラリアになる。このため、高度の高い地帯に過去から現在まで王朝を築いたらしい。でも、「高くて涼しい所に住みたい」と思っても、それに合った土地がないとどうしようもない。この点、エチオピアは高原が平坦であり、特異である。
エチオピアは全体として高原を形成していて、とくに東側はほぼ一直線に切れ落ちている。アフリカが紅海によってアラビア半島と切り離されようとしているのはよく知られている。そのアフリカ側の境界面がエチオピアの高原を形成している。
エチオピアの地形を上手く写真に撮ることは難しい。大きすぎるからである。写真はそれを撮ったつもりだが・・。未舗装路の車の中からなので、余計に上手く撮れていない。
写真を撮ったのはデバルクという比較的大きな町から谷に向かって下る途中である。右の高い側にデバルクの町がある。左の低地は貧困である。つまり、高原側に多くの人が住み、低い谷側は普通に住める環境にない。しかも谷側は比較的多い雨で刻まれ、複雑な地形になっている。
この写真の現場からいくつもの谷を越え、1日がかりで昔の王朝のあった世界遺産の町、アクスムに着く。最初に書いたように、アクスムは谷底から高原に上がった、豊かな平原にある。その間の低地に付けられた道路は舗装がされず、何度も峠を越えて非常な悪路である。中国資本が入っているのだろうか、大工事中だった。
平地が都市空間との日本の常識がエチオピアでは通用しない。やはり変な国である。
デバルクから谷へ.JPG

2013/03/10


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