普通のサラリーマンを辞めてから、よく分からないのが靴である。つまり、通勤するのに普通の革靴は大仰なように感じる一方、サンダルではまずいと思う。では何が適当なのか。
大学教員の給与は安いものの、研究室という個室があり、それが特権となっている。そこに服と靴と、ついでにネクタイなども置いておけばいい。場合に応じて着替えることができる。ある暑い夏の日、下着一枚で涼んでいると、消防点検だとかでいきなり部屋に入ってこられた時には慌てたが(慌てたところでどうしようもなかった)。まあ、夏山だと思うと、どうということもない。
それはともかく、大文字山越えで大学に出向く時の靴が壊れかかっていた。かかとのぶつかる布の部分が擦り切れてしまった次第だ。なかなか優れものだったので惜しかったが、新しいのを買うことにした。同じメーカー、前にも書いたVASQUE(バスク)のトレールランニング用のものだ。山を走るわけではないが、ささっと歩くには軽くて良い。他にも同じような靴があるだろう。とはいえ、一度「これ」というのに出会うと、メーカーを変えるのは面倒だし、リスクである。
実際はネットで買っている。同じメーカーなら靴のサイズもわかる。とはいえ、今回買ったのは以前のものとはデザインが少し変化していて、履くとサイズも幅広になっていた。これがラッキーで、以前よりもフィット感が良い。
同時に、革靴のうちの一足もみすぼらしくなっていた。これはネットではなく近くの専門店に出向いた。この手の靴は以前に比べると異常に高くなっている。でも、一度買うと長期間履ける。大学に履いて行く機会が少ないこともあるだろう。「今回買った靴は、本当の意味で一生物かもしれない」と思いつつ支払いをした。
この革靴、大文字山越えの靴と比べると倍くらいの値段だ。でも、どちらの靴の方が実質は高いのか。耐久年数からすると、トレールランニング用の方だと感じている。とはいえ、山越えで通勤して健康が維持できるとすれば、それこそ安い買い物かもしれないし。
2013/03/13