川北英隆のブログ

相続の延長戦

1年以上の時間を要した相続が今年の年初に終った。手続きしていた金融機関、証券会社、公的機関から手続き終了の通知や、相続財産の振込手続きがなされたからだ。それで「ほー」としていたら・・・。
相続の手が離れたと安心し、ほったらかしになってしまっていた。そんな今週の日曜日、久しぶりに実家を訪れたところ、郵便局から葉書が来ていた。それによると母親の口座には、ゆうちょ銀行の預金(正確には貯金かな、変な所で言葉を使い分けてもろたら困るけど、税制が異なるから区別している)口座には、限度額を超えて残高があるので、限度額以下にする手続きをしろとあった。
その葉書を読んだ瞬間、すごい預金金利ならともかく、限りなくゼロ金利なのに、依然として郵貯には税制上の優遇措置が残っていたのだと思い出した。ついでに郵便貯金には、「優遇措置ってすごい」と錯覚させ、ある意味で不適切な状況を、つまり感覚の鈍った年寄りを騙くらかそうとの状況を作り出しているのではないかと思わざるをえなかった。こんなしょうもない優遇措置なんか、即座に廃止すればいいのに。
机上の文句はともかく、手続きしないといけない。そこで今日、時間を作って実家に行き、書類を整え、代理人として実家近くの郵便局に出向いた。母親本人は何とか歩けるものの、もはや煩雑な手続きをその場で行うことが困難になっているから。
窓口に行っていつも思うのだが(事前に十分予想していたものの)、郵便局は手続き主義、書類主義であり、極めて面倒な金融機関だ。限度額オーバーを解消するため、預金を引き出そうとしたのだが、そのために委任状が必要、それも本人の自筆でないといけないという。自筆は署名だけではない。預金証書の番号、本人と代理人の住所、代理させる項目等、すべて自筆を要求される。年寄りには酷な書類だとしか言いようがない。「字が書けなくなったらどうするの」との質問をしようとして、忘れたが。
それはともかく、一番危惧したのが僕の長ったらしい住所である。これを年寄りがきちんと間違いなく書くのは不可能である。僕自身、自信がないのだから。ということで、窓口で「書かなくてええんやろ」と詰め寄ったところ、多分、郵便番号で住所検索したのだろうが、機械を叩いた後で、「大丈夫です」との返事だった。
ということで、実家の玄関を入ってから2時間くらいを要しただろうか。夕方には相続の延長戦を何とか終えた。
今後、何か追加で手続きが必要だと言われれば、頭に血が上りしまいそうだ。今日でも危なかったのだから。本当のとこ、この日本の煩雑な政府の手続きを何とかしてほしいものだ。
「何やそれ、大したことないの違う」と思っている読者も、相続に直面したのなら、「Kは正しいことを言っていた」と悟るはずだと、本気で思っている。
追記と訂正:現在、郵便貯金に対する税制上の優遇はない。1000万円の限度額が設けられているのは、ゆうちょ銀行が実質的に国の資本100%であり民間金融機関との競争上有利だから、その有利な条件を削ぐためである。

2013/03/28


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