川北英隆のブログ

電力会社の意味不明な記事

今日の日経朝刊の一面の記事に「中部電、東電と組み茨城に火力建設 独占に風穴」というのがあった。「独占に風穴」とはどういう意味なのか、理解できたのなら教えてほしいと思う。
もちろん、東京電力の管轄区域、すなわち縄張りに中部電力が発電設備を持ち、そこで発電した電力を東電の縄張りで売るという日本語の意味は理解できる。でも、「独占に風穴」の経済的な意味が理解できない。
中部電と東電はお友達である。というか、東電が親分、中部電は子分である。それで一緒に発電所を作ろうとしているわけだ。中部電が東電の縄張りで電力を売ることはひょっとして画期的かもしれないが、めちゃくちゃなことをやるわけでない。東電の意に反したことをやるつもりなら、自分の力だけで発電所を作るはずだ。今回は中部電が東電の下請けをやるに近いのだろうと思う。
ということで、今回の発電所と売電計画には東電の意図が働いていて、「電力業界にも競争が生じているように見せたいのかな」と思えてくる。そうだとすれば、「独占に風穴」との見出しは、東電の意図に乗っかった記事としか思えない。
でも、日経としては「中部電、東電と組み茨城に火力建設 猿芝居」とは書けないだろうから、反語的な見出しを使ったのかな。それなら週刊誌の見出しのように、「独占に風穴!?」とやればよかったのにとも思う。

2013/05/22


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