日経新聞を読む度に「紙の無駄」と思うことがある。「それは何か」と、まず読者に質問したい。新聞広告費は高い。それなのに、1.5ページも割かれて見向きもされない紙面がある。投資信託の価格表だ。
何でそんなに銘柄が多いのか。到底信じられない。土曜日の朝刊で確認すると、株式市場の価格表は、東証1部、2部、ジャスダックを合わせて2ページである。それに対し投資信託は最初に述べたように1.5ページもある。時価総額あたりのページ数を比べてみよう。大雑把に、400兆円(株式市場)と80兆円(公募・契約型投資信託)である。
何故、投資信託にこれだけのページ数を割かないといけないのか。日経新聞のページ数稼ぎでは決してないだろう。思うに(違うのなら是非反論してほしいが)、実質的に死んでる(つまり残高が極端に減っている)投資信託が多いのだろう。ゾンビ投資信託の存在である。
少し横道に逸れる。いくつか投資信託を保有しているが(ゾンビがいないわけでもないが)、価格をこんな新聞の一覧表で探そうとも思わない。ネットで調べれば一発だから。
本筋に戻り、投資信託を運用しているアセットマネジメント会社は、これだけ多数の投資信託をかかえてどう運用しているのだろう。想像するに、残高の少なくなったのは適当に管理し、その一方で顧客を集めるために新たなテーマを見つけてファンドを新規募集し、ファンドマネジャーをはじめとする自社のノウハウを集中的に投入するのだろうか。
望むのは、20年、30年と続きうる投資信託であり、そんなコンセプトである。そういうものを設定しないかぎり、「少額投資非課税制度」ではないが、税制をはじめとする制度をいくら「革新」したところで、これまでの60年間と同様、日本での投資信託の発展はないだろう。
投資信託協会から大学の講義に関して寄付をもらっている立場から苦言を呈したいというのが、このブログの主旨である。
2013/06/23