川北英隆のブログ

貿易統計2013年6月

6月の貿易統計が公表された。円安の効果により、輸出金額の増加率が大きく、輸出入の差額の赤字幅が縮小傾向にある。季節調整済みの公表値によると、赤字幅は5987億円と、昨年夏の水準に戻った。
この赤字のピークは今年初めだったようだ。今後とも、この赤字幅の減少が予想されると考えたいところだが、問題がある。輸出の増加が、もっぱら円安の効果(円に換算した単価の上昇効果)という点である。
つまり、数量ベースで見た輸出は一進一退である。景気がゆっくりと回復しているアメリカ向けが横ばい圏内に留まっている。ヨーロッパ向けと中国向けは冴えない。このため、円安が一服すれば、輸出の伸びも止まる構図にある。
また、輸出の増加を支えているのは、品目別には自動車であり、化学製品と電子部品である。それ以外の一般機械や電気機械は冴えない。日本の製品で競争力があるのは、スマホやタブレット向けの部品や材料であり、完成品では自動車ということになる。スマホは海外メーカーが主導権を握っている。自動車の販売台数は国内よりも海外の方が多い。日本の製造業の構造は海外頼みということになる。

2013/07/24


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