どんな携帯を使っているかと質問されれば、自信を持って「いわゆるガラケー(ガラパゴス携帯)」と答えているし、実際そうだ。「スマホって、どうやって喋るのか」も知らなかった。
Padは会議用に供与されているが、アマゾンのキンドルでの読書以外、個人的には使ったことがない。スマホは手に持ったこともないに等しい。
そもそも、そんなものでニュースをいち早く知っても仕方ないと思っている。それに、携帯パソコンがあれば、ほぼいつでも、情報の検索ができる。最近、よほど辺鄙なとこでないかぎり(最近ではエチオピアの首都以外でないかぎり)、ホテルや空港でWi-Fiを、それも無料で使える場合が多い。
そんな僕にとって、スマホで初めて電話することになった。詳しい事情は後日に書くとして、イランでの経験である。
少し高額な買い物をしたので、カードで決済することにした。店の方もそのつもりで、どのようなカードであっても決済すると言っていた。ニュースに詳しい読者からは、「アメリカがイランへの経済制裁を強化したから、ウソやろ」と疑惑を込めて質問されそうだが、本当である。ただし、アメックスは(海外でトラブった時のことを考え、僕は大抵の場合、アメックスを使っているのだが)、「手数料が高い」とかで嫌がられた。
カードにサインした後、1時間ほどして、その店から電話があり、「決済できない」という。「すぐに駆けつけるから、カード会社に電話して欲しい」とのこと。それで、駆けつけた店のオッちゃんのスマホを使って日本のカード会社に電話した次第である。それが、気持ち良く話せる。僕のガラケーよりも良いくらいだった。
決済できなかったのは、セキュリティーチェックが機能したから。海外でのカードの不正利用が多いらしく、一定の金額以上は本人確認ができないと決済されないようだ。
いずれにせよ、イランを見下してはいけない。紀元前から、中東の覇者として世界史に名を連ねてきた国である。そんじょそこらの発展途上国とは、まったく氏素性が違った。イランのスマホでの感動である。
2013/07/05