今回、この季節(6月末)にイランに行った理由の1つは、ケシの花が美しいと聞いたからである。「丘の上、ヒナゲシの花が」のようなイメージだったが、実はアヘンの採取可能な種類だそうだ。
写真がケシの花である。写真の中央から左手にかけて種子がある。これに傷を付けてアヘン(モルヒネ)の原料を採取する。なお、写真の右手はケシの蕾である。現地ガイドは、アヘンの採取可能だと説明したくなかったようだった。
東京に住んでいた頃、この手のケシの花の栽培を見たことがあるが(小平の東京都薬用植物園)、肝心のケシは厳重な囲い、すなわち檻の中で咲いていた。そんな日陰者のケシを手にとって観察できるのは感動である。
もっとも、イランで麻薬を扱おうものなら、即時に死刑だそうだ。僕自身、麻薬の原料に触れ、花粉も少し口に入れてみたものだから、関空で麻薬犬に吠えられないかと怯えていた、ワン! でも、期待の犬の登場はなく、がっかりしてしまった。
2013/07/11