池尾和人さんから「連続講義・デフレと経済政策」をいただいた。もう2週間は経つと思う。イラン後の私的時間の混乱により、その本に目を通す余裕がなく、お礼を言っていなかった。
本のお礼は池尾さん流を少し真似、「ブログ」を使うことにする。確か1週間前の日経に本書の広告が出ており、ライフネットの出口さんの評価が付いていた。その評価をブログに引用してもいいかと思いもしたが、それでは杜撰なので、簡単にコメントしておく。
連続講義とあるので、一瞬、講義録かと思ってしまうが、質疑応答という講義というかゼミ形態を採用しているだけである。副題は「アベノミクスの経済分析」とあるので、これも瞬間、完全な時事ネタかとも思ってしまうが、「ここ数年・・寄稿してきた記事を再構成した部分が多い」ともある。行き詰まりを見せていた日本経済に対する理論的な関心に基づいているのだろう。
今日になってざっと目を通したところ、本書全体は、マクロ経済学、金融理論、金融政策、財政政策、そして現実の日本経済に対する見解から構成され、最新の経済理論と筆者の洞察力がベースとなっている。内容的には平易に書かれている。
アベノミクスと現在の日銀の金融政策をどのように評価すればいいのか。少なくともムードに流されてはならない。賛成派であっても批判的なスタンスに耳を傾けないといけない。株式投資しているのなら、現在の政策の限界も理解しておかないと、いつか大損する。
しかも「1700円+税」と手頃な値段である。一読をお勧めする。
2013/08/04