この杉を訪れたのは、つい先日と、10年少し前だったか、その2回である。笹子峠には何回も通った(記録をたどればわかる)ものの、杉は街道から少し離れていると思い、最初は行かなかった。
多分、東京を離れるから一度くらいはと思い、10年少し前に沢伝いに訪ねたはずだ。周りの木々の葉が落ちていた時なので、杉は一段と大きかった。しかし、背がない。よく見ると中心部が空洞になっている。弱っているように思えた。惜しいことである。
実はその時、「街道からすぐやん」と知ってしまった。それでつい先日も、暑かったにもかかわらず寄ってみた。敬意を表したわけだ。
今回は随分と整備され、杉の空洞の中に入れないように柵がしてあった。少し見苦しいが、ギブスか老人の杖だと思えばいいことだ。
都心から近いことだし、杉に異常接近せず、傷めない程度の距離から眺めるのがいい。何故伐採されなかったのか、その理由は不明なものの、1000年前後も生きてきた霊気というか凄みが感じられる。なお、この杉、北斎漫画(浮世絵)にも登場するとのこと。
2013/08/25