ネット上で定期的に身辺を探っておかないといけない時代。そうしていると、10/9に登場したM氏が、京都に来たことをブログにしていた。僕の研究室での写真もある。理由があってのブログだ。
ブログはいろいろに使える。真実を書いているかというと、僕の場合はそうでもないことも多く、適当に脚色してある。むしろ脚色の方法を勉強している。M氏の場合、明確な理由があっての、大学向けの証拠作りだそうである。何の証拠かというと、「確かに出張しました」との。
書き忘れていた。ブログは次にある。URLを示してしまうと、「M氏」と、名前を曖昧にしておく意味は失せるが。
http://www.cafe-nous.com/mimura/blog/2013/10/20131023.html
証拠を作りたくなる理由もわかる。M氏の大学の事務は、「本当に出張したの」ときわめてうる星そうだ。そこで写真付きのブログにして、それをアップしているらしい。
おかげで、僕も貴重な研究室での写真を入手できたかな。京都大学の夜がこんなに綺麗とは思わなかったし、研究室らしく本も並んでいる(まともに通しで読んだ本はほとんどない)。すると、研究室での写真を見て、「どっちが年長者か不明やな」との家内の感想があった。
それはともかく、大学の教員の生活も大変だ。出張の証拠なんてかわいいもので、面倒な権力闘争に付き合ったり、ゴマをすらないといけなかったり。しかも給与が下がっている。
まず、権力闘争に巻き込まれる例だ。某別の大学では、特定された複数の研究科から大学の理事を選出するのに、それを話し合いで決めようとするので、何回も当事者(候補者)である科長だけが懇談しているらしい(懇談という名前の会議を大学は好む)。その度、知り合いは、「自宅から遠い郊外のキャンパスに出掛けんとあかん」と辟易している。「そら、ピクニック弁当とおやつ持参で会議に出席して、動物園にいるつもりで、『あっ、お猿さんの喧嘩や』とか叫んだらどや」と提案しておいた。「そしたら、おシッコならぬお茶を引っかけられるかな」とも注意を添えておいたが。
ゴマは、教授になっていない場合や、教授でも任期付きの場合には必要かもしれない。このため、こき使われる(誰もやりたくない、仕事のための仕事が山のように降ってくる)。その一方で、無人気違う無任期の教授になってしまうと、科長になり理事になろうと思わない限り、ゴマとは無縁になる。会社の場合、上司の覚えが目出度くないと左遷させられるが、大学の場合は覚えが目出度くなかっても左遷はないから、やりたくない仕事は断れる。そもそも、上司が誰かも不明である。こんなことだから、必要な仕事でさえサボるのが出てくるわけだが。
これで思い出したのが、知り合いがトップを務めている政府系某ファンドの例だ。議員からの投資依頼が多いらしい。そんな依頼の場合、知り合いは弁護士同席で応対するらしい。断ると、「お前をクビにしてやる」との言葉もあるとのこと。「でも・・・」と思う。「そのトップ、功成り名を遂げた人物だから、クビになってもせいせいするだけやけで」と。
人を動かそうとすると、その人の立場を見抜いて対応しないといけない。筋違いな角度から迫っても逆効果なだけだと思う次第だ。
2013/10/27