川北英隆のブログ

飲食店の品格1

ホテル内にあるレストランのメニュー偽装が大問題になっている。御表示ではない誤表示だと釈明しているが、料理人は素人ではあるまいし、偽装に決まっていて、詐欺と言われても仕方ないだろう。
ではホテル側が一方的に悪いのかと言えば、そんな「名前」を有り難がる風潮も問題だと思う。食事に行くと、最近では運んできた姉ちゃんや兄ちゃんが「右から順に何と何」とか説明してくれる。素材の種類を説明してくれるのはある意味重宝するのだが(説明時に唾さえ飛ばしてくれなければ)、それをさらに「どこそこ産」とか言われると、「どうでもええやん、とにかく美味いのか」と質問したくなる。少し高級な店なら、冷凍物が出てくるとは誰も「期待」してないし、近場のものを美味く調理してくれていれば、少なくとも僕は満足だ。
そんな名前だけで食べるようになったのは、品物の真の価値を評価する力が弱くなった証拠だろう。
それで思い出したのは、マグロであり、その中でのトロである。たまに食べるには美味いが、毎日食べる魚や部位ではない。そもそも魚は種類が豊富だ。白身の魚も美味いし、ニシンやイワシも美味い。それぞれの魚をいかに美味く調理するのか、それが重要である。
「マグロ=トロ=美味い」、「それ以外・・、わかんない」では、ホテルのレストランの偽装にころっと引っかかってしまうのは必定と思える。

2013/10/31


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