天気が良かったので大文字山を越えて帰った。「山の光は没するが、学問の光は没した後に輝く」と嘯きながら、銀閣寺へと歩いていた。以前、いつだったか書いた「座右の銘」を進化させたわけだ。
銀閣寺の裏の紅葉は、先週に登って1週間も経たないのに、大分赤くなっていた。銀閣寺の手前から見ると、大文字山の周囲が黄色くなっていたことからも、「今週末の京都の紅葉は見頃を迎えるかも」、「例年よりも少しだけ早いが、今週に寒波が来るようだし」、「今週末に京都に来たとして、早過ぎたと後悔することはないはず」と思った。
大文字に向かって本格的に登り始めると向こうから来た一団に声をかけられた。見ると、学部ゼミのY君だった。家族と紅葉を見がてら来たのだろう。クールベの"Bonjour Monsieur Courbet"のような出会いだ。母親か、挨拶された。こっちが下にいたこともあり、画家のような堂々たる挨拶はしなかったが。それにしても、山でばったり知り合いと出会うのは珍しい。誰もが登る大文字ならではのことだろう。
その少し上、火床の手前で2頭の鹿さんと出会った。雌鹿と大きくなった子鹿のようだった。歩くと距離をおいて付いてくる。多分、登山者にパンか何か、餌をもらったのだろう。大文字山でも鹿が多くなっている。早くステーキにでもして食べた方がいいのにと、涎が出てきた。
今日は山道が乾いていた。雪が降るまでの間、大文字山では登山日和を見つけられる。
2013/11/18