川北英隆のブログ

新株価指数JPX 日経400

「市場」ではなく「企業」を買う株式投資の出版記念セミナーの開催日は、東証の新株価指数、「JPX 日経400」の発表日でもあった。セミナーには東証からも出席予定だったが、欠席となった。
「市場」ではなく「企業」を買う株式投資の主題の1つは、TOPIX(東証株価指数)から離れようというものである。そうそう、今日、日経ネットに筆者自身で書く書評が掲載された。
http://www.nikkei.com/money/features/31.aspx?g=DGXNMSFK06003_06112013000000&df=1
そこにもTOPIXから離れようということを、少し際立たせるように、かつ日経平均株価を持ち上げつつ書いておいた。
それはともかく、東証もTOPIXの欠点を認識しているので、1年以上前から新しい指数の開発に乗り出していたようだ。新しく開発する指数では、一時、500企業くらいが採用されるのではと噂されていた。結局は400企業にまで絞り込みがなされた。この新しい指数の概要は次にある。
http://www.tse.or.jp/news/17/131106_b.html
新指数の眼目は、3年間のROE(株主資本利益率)を主に用い、指数採用企業を優良な、つまり玉の企業に絞り込もうというもの。
では、その出来はというと、公表された指数の試算値にあるように、2006年以降の累積でTOPIXを6%程度しか上回れていないことに象徴されている。同じ期間、日経平均株価がTOPIXを20%程度上回っているのに、である。
この新指数の出来の背景には、400という企業数が多すぎること、言い換えれば(諸般の事情でか)十分な企業選別できておらず、まだまだ石ころが多いことにあるだろう。日経平均株価に採用されている225企業よりももっと絞り込まないといけなかったと思う。
結論は、このJPX 日経400の前途は多難だろう。

2013/11/08


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