ニカラグアの話題から少し離れるが、そこからの帰り、グアヤキルでの強盗殺人事件を知った。ネットの時代、ホテルでWi-Fiが自由に使え(この点で日本は後進国)、メールもニュースも自由自在である。
グアヤキルはエクアドル最大の都市であるし、旅行していたニカラグアとは地理的に近い。それだけにニュースから受けた衝撃は、日本にいた場合と比べて大きかった。しかも、グアヤキルに泊まったこともあったものだから。
ニュースでも報じられているが、グアヤキルはガラパゴスへの玄関でもある。実のところ、グアヤキルに泊まったのも、ガラパゴスに旅行したときである。4人(僕、親友のO氏、共通の知人の娘、O氏の姪)での個人旅行だった。日本ですべて手配していたから、ツアーみたいなものでもあったが。
その時、行きは首都のキト経由だった。グアヤキルと比較して安全とはいうものの、市内の中心部を歩いていたとき、現地ガイドのオバちゃんが「ここは危険だから」と言うや、腕時計を外してカバンにしまったのは明確に覚えている。
帰りがグアヤキル経由だった。当時も危険都市との情報があったので、現地で出迎えてくれたガイド(日本人のオッちゃん)と一緒に歩くだけだった。イグアナを放し飼いにしてある公園を見学し、夜にカニ(ヤシガニの一種)の殻を木槌で割って食べた。そんなに美味いものではなく、ただ珍しいだけだが。
グアヤキルはグアヤス川の河口付近に広がる都市で、飛行機から見ると豊かな穀倉が広がっている。豊かなだけに、豊かさを夢見て流れ込み、結局は路頭に迷う者も多いのだろう。これはグアヤキルにかぎらない。どの国の都市も田舎に比べて治安が悪い。豊かさは、豊かな個人の内部に悪をもたらす。それと同じに、都市の内部にも悪を育む。
2014/01/07