川北英隆のブログ

ニカラグアはどんな国

ドタバタと年末、年始の仕事を片付けてニカラグアに出掛けたので、そもそも訪問するニカラグアとはどんな国なのか、しっかりと調べてなかった。それで、着いた瞬間、何か風景が変だと思った。
首都が森の中にあった(1/12)のが「変だ」と思った1つの理由である。
もう1つの理由は、なかなか思い至らなかった。2日目だったか「煙突」が見当たらないことに気づいた。要するに、工場がない。小さな工場らしきものがあるにはあるが、農産物の加工工場であったり、修理工場だったりする。だから煙突がない。
ニカラグアは農業国である。ほとんど自給できているとか。主食用の作物はトウモロコシと米が多い。それ以外に、柑橘類、ピーナッツ、コーヒー、タバコの栽培が盛んなようだ。
統計上、経済的には豊かではない。1人当たり国民所得は1200ドルと、中南米の中でも貧しく(世界国勢図図会ではハイチの次に貧しく)、アフリカのカメルーンよりも少し低い。しかし、生活水準を見る限り、そんな貧しさは感じない。熱帯で雨がたくさん降り、作物や木の実が勝手に実るから、食うには困らないのだろう。
その証拠に、山に籠もりきりで岩に彫刻をして生活している爺さんを見に行ったが、彼の住んでいる森の中には果物がいっぱい実っていた。そんな豊かな森の中できままに生活できることが、むしろ羨ましいくらいだった。ブータンもそうだが、豊かさとは何なのか、考えさせられる。
内戦に明け暮れたこと、いまでもその名残りが色濃いことを除けば、ニカラグアはいい国である。外国人にとって、都市を歩くのが危険なことも、もう1つの大きな問題だが。

2014/01/17


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