ひな祭りで目出度いと思う暇もなく、市場に新たな暗雲が現れた。ウクライナとロシアの問題である。もっとも、奇数が揃う節句は、本来は目出度くなく、運気が低下する凶兆。だから祭るのだが。
それはともかく、僕のように人間を60年もやり、投資の世界を半世紀以上経験すると、根っこから危ない国があることに気づく。実のところ、そんな国に「今回は違うかも」と思って投資したこともあるのだが、結局は裏切られた。
で、「危ない国ってどこや」というと、読者のかなりが経験した南米が代表である。多分、メキシコも含めたアメリカ大陸の南部かも。メキシコが含まれなければ幸いである。
これらの国が投資対象にならないのは、「ラテン」だから。働くことが命ではなく、生きるため、楽しむために働くのであり、ある程度豊かになればそれで十分だから、投資家を喜ばせようなんて意識になるはずがない。別に非難しているわけでなく、それはそれで立派な生き方だと思い、尊敬している。変に自分たちの価値観で評価する投資家の方が間違っている。
もう1つの代表がロシアである。また、投資先としての歴史は浅いものの中国もその対象の資格が十分にある。というのも、両国とも本来の意味での市場経済ではなく、特定の指導者の意志によって国そのものが動いてしまうから。ラテン以上に投資対象として「まずい」と思う。いつ何時、投資不適格になるのか予想できないとも言える。僕自身、ロシアへの投資ははるか昔に損切りしたか、利益の大半を失って撤退した(性格的に淡泊だから、結末を忘れてしまった)。中国はと言えば、この数年で大半を撤退したから、ある程度の利益を残せた。
それで、「肝心の日本はどうか」と問われれば、「今の日本は真面目すぎて、今後の投資対象として疑問」と思っている。真面目な性格からは革新は生まれない。もう少しラテン的な生き方を好むようになれば、革新的なことが生じると思っている。
2014/03/03