川北英隆のブログ

クジラ肉に舌鼓する

下関に何故旅行したのか。2月に元ゼミ生の結婚式に出席したことは書いた。現在、そのゼミ生の勤務先が下関である。それで(その前から候補だったこともあり)、そうだ下関に行こうとなった。
下関で関心があったのは、もちろん「フグ」である。アンコウも美味いらしい。その他、魚が豊富だと読んでいたから。
で、実際はどうだったのか。フグは「安い」とは言えないかも。東京並みの値段のように思う。フグにもピンキリがあり、もちろん全貌を知っているわけではないが。
実際に食べたフグ料理屋は、一番行きたかった店ではなかった。ネットで調べて予約しようとしたのだが、行った日が定休日だとかで断られた。そこで、どたばたと行きの新幹線の中で調べ、小倉の駅で降り立ってから予約した店だった。
ついでに、「何で小倉なんや」と言うと、駅探で調べたところ、九州に渡ってから戻るのが一番早かったから。新下関にのぞみが止まらないし、小倉と下関の間は近く、連絡も良い。
その予約した店で簡単にフグを食べ、メニューをふと見ると、「クジラ」の刺身がある。そこで注文した。高かったが、クジラの霜降り肉のような部分であり、癖がなく美味かった。長崎空港で食べたサエズリの刺身はもっと美味かったが。
子供の頃の「ゲイカツ」と違う。ゲイカツのゲイってゲイバーのゲイではないし、芸者のゲイでもない。鯨肉のゲイであり、それをトンカツ風にしたもの。子供の頃、一番安い肉料理で、不味ーい給食にも登場した。
他の店(旅館)では晒クジラを食べた。こっちは味があまりなく、それを酢味噌で食べる。子供の頃に感じた臭みはあまりなかった。加齢とともに舌が変わってしまったのかもしれないが。
クジラベーコンが売っていた。それを土産に買おうと思ったのだが、「新幹線の中で3時間は持たない、冷凍が解けてぐしゃぐしゃになる」と言われた。さすがにコロ(クジラの皮とその下の脂肪部分を乾燥させたもの)は見なかったが。
うーむ、下関は僕の大好きなクジラの街である。と思っていると、京都に帰った翌日だったか、南極海での捕鯨船が下関に帰港したとのニュースがあった。実は下関に行った日は、調査捕鯨禁止の裁定が下った直後だった。
調査捕鯨と言いながら、下関にクジラが日常的に並んでいるのはどう考えても変だし、農水省の役人の猿知恵だとしか思えない。裁判で「調査やないやん」と言われても仕方ない。しかし、クジラを食べてはいけないとの大多数の欧米や豪の感情も偽善だろう。前にも書いたように思うが、ウサギやシカやトナカイやカンガルーや、はたまたウシやヒツジなんかを堂々と食べてきたし、今でも食べてる文化の国々である。しかも昔は「白鯨」ではないが、自分たちもクジラを追いかけていた。
下関の街を歩くと少し寂れた感じがしただけに、クジラ文化をますます応援したくなった。って、僕自身の嗜好だけの話かな。
そうか、中国にクジラ文化を輸出すればいい。中国にクジラを調査食材として提供すると、何でも食う中国人に好まれる可能性が高い。その中国が「調査捕鯨」に乗り出し、世界にごねると、クジラ文化が渋々認められるかもね。

2014/04/12


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