川北英隆のブログ

高校の地図帳の楽しみ

好きな図書は何から質問されれば、その1つに「高等地図」が入るだろう。要するに高校の地図帳である。先日、証券投資教育を議論する会議があって、そこでも「高等地図のような教材を」と発言した。
自分で買った高等地図は2つある。1つは平成6年(1994年)版の帝国書院のもの。もう1つは2013年版の二宮書店のものである。帝国書院のものがあまりにも古くなったので、昨年、新しいものを買った。値段は前者が1500円、後者が1600円である。カラー刷りで150ページ近くあり、内容が充実している。こんな安い買い物はないと思っている。
実は、前にも書いたと記憶しているが、昭和44年(1969年)版の二宮書店のものも持っている。妹のものをかっぱらったので手元にあるわけだ。こっちは301円とある。ページ数はやはり150ページ近い。
大きな地図帳も持っているし、グーグルマップも重宝なのだが、高等地図は手軽であり、どこででも広げられ、興味のある箇所をささっと読める。それでいて、地形図だけでなく、民族、宗教、産業、自然環境などの情報が埋め込まれている。40年前の地図帳と現在の地図帳を比較すれば、世界の変化は一目瞭然というわけにもなる。こんな面白い読み物はないだろう。
そういえば、高校の歴史の教科書を愛読する中高年もいると新聞で読んだことがある。でもと思うのだが、高校の歴史の教科書を読んだところで新しい発見がどの程度あるのか。どうせ歴史書を読むのなら、いただいておいて礼状を書き忘れ、口頭で礼を述べただけの、出口治明『仕事に効く教養としての「世界史」』がいいのではないか。
いずれにしても、新しい見聞がないと面白くないと感じてしまう質なだけなのだが。

2014/04/28


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