究極の少子化対策としての離婚政策は極端として、本気で考えないといけないのが就業のあり方だろう。都心に人口を集中させたのではダメ、子供のそばにいて仕事ができるようにすべきだ。
保育所を作ることも重要だが、子供も親も、両方にとって一番幸せなのは長い時間、一緒に過ごせる環境だろう。自分の子供時代を思い出すと、両親とも働いていたが、ちょっと顔を見たいと思うと、それがすぐに実現できた。もう1つ思い出したのは、住んでいるマンションの犬のこと。飼い主が働きに出て留守の時、ヒイヒイ鳴いてうるさいとかで、犬専用の施設に昼間預けられるのだが、その預けられる瞬間を見たことがある。その時の犬が実に悲しそうな顔をしていた。
親にとって、子供を保育所に預け、それから長時間かけて都心に通勤するのは、どう考えても過酷である。1人の子供はともかく、もう1人とは、余程根性がないと決断できないと思う。
では、親と子が近くで過ごすにはどうすればいいのか。1つは地方に働き口をたくさん作ることである。そのためには、都心にビルを有する企業や、都心の不動産そのものに高い税金をかけることが必要となる。追っ払うわけだ。それで徴収した税金を地方に流せばいい。その税金は、インフラ投資ではなく、企業を地方誘致するために使うのが一番いいと思う。もっとも、この方法の問題は、効果が現れるまで長時間必要なことだろう。
もう1つは、せっかくのインターネットの時代だから、遠隔地にいて仕事ができるようにすることである。テレビ会議や、モニターでの従業員の仕事の把握である。自宅で仕事をさせるのはどうかと思うのであれば、地方にサテライト事務所(集合所)を設ければいい。それなら、従業員が近くに住居を購入するのも容易だし、通勤も楽である。従業員のための保育施設の設置も簡単なはずだ。
一昨日登場したT社長の会社は調査会社である。そのこともあり、インターネットを活用した仕事を推進している。出産で一旦辞めた女性や、遠隔地に引っ越した女性をインターネットで会議に参加させている。もちろん事前の資料作成は自宅で相当程度可能である。そんな会議をしていると、子供の声が時々する。以上のような発想の会社が増えないと、いくら政府が少子化対策と叫んだところで実効性に乏しいだろう。
2014/05/08