遅ればせながら父親の三回忌を兼ね、前回に登場した郡山の料理旅館、尾川で内々の昼食会をした。昔の郡山の繁栄ぶりを残す店だろう。中庭にはアジサイが咲いていた。
一昨年の11月に行った時には、昼間だったこともあるのだろう、我々だけだったと思う。今回は何組か客がいた。このため、通されたのは前回のような大きな座敷ではなかったが、それでも中庭に面したなかなかの座敷だった。
料理は前回に食べているだけに、予想の範囲内だった。煮物は少し塩味が効き過ぎのような気がした。
とはいえ、鮎が2匹ずつ出てきたのには、内心期待していたとはいえ、心躍った。釣りの解禁が早い和歌山の鮎だそうだ。放流した稚魚が大きくなったところを釣り上げたとのこと。準天然なわけで、脂ぎっているわけではなく、鮎の味がちゃんとした。これを食べられただけで幸せというものだ。
季節のものとしては鱧も出てきた。黄身で覆ったたき物だった。初めての調理法だったのでよく味わって食べた。焼いた方がやはり美味いかなとは思ったが。
柳沢の城下町であり、メリヤスで栄えた郡山であるだけに、まだいくつかその名残の店がある。ついでがあれば(法隆寺や薬師寺が近いので)寄ってみるのもいいだろう。そのうち本当にリニアが郡山の南に止まったりしたら、もう一度栄えるかもしれないし。
2014/06/08