川北英隆のブログ

貿易統計2014年6月

6月の貿易統計が公表された。理由は察してもらうとして、最近、外国為替への関心が薄れているため、今日になって少し分析してみた。よく考えれば先月のブログ休んだので、久しぶりである。
数量ベースで見るかぎり、輸入は1?3月の駆け込み需要の反動減が収まったようである。一方で輸出は、この1年間の円安にもかかわらず無反応に近い。もう少し言うと、輸入量は景気のゆっくりとした回復もあり、円安にもかかわらず、レベルが一段高くなっている。それに対して輸出の元気のなさが目立つ。これは一般のエコノミストの評価とほぼ同じである。
金額ベースでは、最近の輸入は単価の低下もあり、前年比で少しプラスの状態を維持している程度である。円安による価格上昇効果が一服したようだ。輸出は金額ベースでも一進一退が続いている。円安による価格上昇率(円ベース)でも、円安の効果が十分に発揮されているとは見えない。輸出入金額を品目別に見ても、やはりエネルギー関係の輸入が増加している。輸出は、自動車と金属加工以外が振るわない。やはり日本の経済構造と競争力が大きく変化したと考えるのが自然である。
以上から「輸出?輸入」の赤字額は高水準を保っている。6月は季節的に輸出の増える月だから、もう少し輸入超過額が縮小してもいいはずだったのにと思う。まとめとして、日本の輸出は、画期的かつ売れる製品を日本企業が作り出さないかぎり、水準を上げることが不可能に近くなっているのかもしれない。

2014/07/27


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