最近、年金関係の雑誌から続けて原稿依頼があった。物書きは嫌いでないので、引き受けている。テーマはともに、株式投資を考えるうえで、海外投資を軽視してはいけないとのものである。
その雑誌とは、1つはR&Iの「年金情報」、もう1つは企業年金連合会の機関紙「企業年金」である。両方とも近々、発刊されるので、詳しくは読んでもらえればと思う。
とはいえ、言いたいことはただ一つ、日本株式の関係者には顰蹙かもしれないが、日本はこと株式市場に関して鎖国状態に近いということである。以前にも書いたと思うが、僕自身は2000年頃に、「株って日本企業も海外企業もないやろ」と思った。このため、会社を辞めた後、海外株式や海外株中心の投資信託に投資した。どの程度に儲かったのかは検証していないが、平均的な日本株(有名どころ)に投資する以上であったことだけは確かである。
日本企業が海外に拠点を置き、事業展開する時代である。それなのに、もっと自由に、身軽に動き回れる投資資金が国内に閉じこもっているのは、「非常に変」だとしか思えない。考えたうえでの結果して日本に留まるのなら理解できるが、最初から「日本に留まる」と宣言し(もう少し言うと、資金の何割を国内株のために確保すると宣言し)、留まっている。「アホやん」としか思えないのである。
とはいえ、僕の関わっている準公的年金の資産運用も同じ方式を採用している。ある時、その年金において、公的年金・準公的年金の中では画期的な案を議論したが、時期尚早だったようで採用されなかった。1つの理由は、公的年金の親分が動かないからである。
それはともあれ、個人投資家にとっては何の制約もない。自由に、世界中の中から儲かる株式を選び、投資すればいい。
では、その情報をどこから得るのか。僕が推奨する方法はグーグルニュースである。主要国のニュースが国・地域ごとにまとめられている。それを参考にすればいい。英語以外の外国語もあまり恐れる必要がない。稚拙ながら、グーグルのソフトが翻訳してくれる。僕もそれを時々眺めている。日本で伝えられるニュースがいかに偏っているのか、理解できるだろう。
投資は、まずは情報からである。その情報に感じるところがあれば、その感じたところと具体的な企業とを結び付ければいい。その場合も、グーグルの検索が大いに役に立つ。ということで、時代はえらく進歩したものだと思う。投資家も、それに合わせて進歩しないといけない。
2014/07/25