厚生労働省管轄の独立行政法人(省庁の出先機関というか、政策の実行部隊というか)の評価委員会総会があった。独立行政法人の株主総会である。部会があり、その総括報告が総会に上がる。
この8年度間、評価委員を務めてきた。今年度で役目が終わるという。独立行政法人の評価方法が法改正によって来年度から変わるので。
ということで、目出度く評価委員を離れることができる。年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)が評価の対象機関に入っていたのはいろんな意味で考えさせられるところがあり、興味深かった。とはいえ、評価の期間が主に8月まるまるだったため、夏休みの計画が不自由だった。来年からはこの呪縛から解放されるようだ。
まだ生々しいので思う存分書けないものの、1つだけ印象を書いておきたい。それは委員になった最初の会合で思ったことだが、独立行政法人が多すぎ、かつ業務が似通っていたので、個々の法人の区別が難しかったことである。最大の例は、厚生労働省なので病院関係の組織が多いこと。その組織の役割がお互いにオーバーラップしている。多分、日本経済の成長期に厚生省や労働省の「新政策」で打ち上げられ、公共性の観点を強調して病院組織と病気に関する研究組織がいくつも作られたのだろう。
それらはこの8年間のうちに整理、統合されていった。かといって、まだ、どこが違うのかと個人的に思ってしまう組織も残っている。今後も、整理、統合の歴史が続くのだろう。国民として、本当に整理、統合されたのかどうか、しっかりチェックする必要がある。
それはともかく、今日の評価委員会で十数年ぶりに厚生労働省のM氏に会った。現在、国立循環器病研究センターの幹部である。最後に会ったのはフランクフルトだったと思う。滅多にないことながら、たまたま僕がドイツに出張していた時、M氏も出張で同じホテルに宿泊していた。小さなホテルだったので、ロビーで出くわした次第である。
思うに、時代が一巡し、時の流れが過去に遡ろうとしているのかもしれない。そうかといって、過去と同じ場面は登場しない。螺旋階段のように位置を違えながら、でも同じような風景が見えるのだろう。M氏に会った今日、日本を螺旋階段から眺めているような錯覚に陥った。
2014/08/26