親不知観光ホテルは悪くない宿泊地である。いつか書く予定だが、親不知駅周辺が予想外の風景だったから、ホテルが良く見えたかもしれないものの、夕食はそれなり、値段も安い。登山に最適である。
北アルプスへの登りが本格的になるのは坂田峠(605メートル)からである。それまでは、普通のハイキングコースと変わらない。ついでに書くと、現在のガイドブックのコースタイムは少々オーバーだと思う。急いだわけでないものの、3割以上、時間を短縮できたし、事前に地図で見たときにも「何でそんなに時間がかかるんや」と思ってしまったのも事実である。
坂田峠は、その昔、東側に金山があり、芸者が籠で越えるなどで賑わっていたそうである。今はタクシーで峠まで入れる。山小屋主催のツアーなどでは、荷物を峠で引き取り、後は人だけ海まで歩くこともやっているようだ。
その後はアップダウンの続く本格的な登りとなる。水場が何箇所かあるものの、ガイドブックによると涸れる可能性もあるとのこと。今年は雨が多かったので(すべての水場をチェックしたわけでないものの)、水は豊富で助かった。
このルートは下山に使われることが多く、僕の登ったのが連休の最終日だったこともあり、下りの登山者から「水場はどう」と質問されることが多かった。それだけ、全員が水の補給を心配しているわけだ。
当日は高曇りで展望が効いた。妙高と雨飾が間近だった。能登半島と富山平野も見える。当然、海は朝の陽光に輝いていた。
前半のペースだと朝日小屋まで行けるのではと思ったが、後半の登りは重かった。昼過ぎに栂海山荘に着いたものの、朝日小屋まで行こうとは思わなかった。
栂海山荘から犬ヶ岳山頂まで10分とかからない。頂上付近で遅く咲いた高山植物と、南側の正面に大きく広がる朝日岳を愛で、無人小屋での午後を堪能した。
ちなみに、栂海山荘には、詰めれば40人以上泊まれる(14日には30人以上が泊まったそうである)。毛布もある。ただし水がないので、前後の水場で補給をして小屋に入らないといけない。なお、犬ヶ岳の手前、白鳥山にも小屋があるので、何かの時に役立つだろう。
2014/09/19