最終日、朝日岳から北又に下った。しかし、単純に下ったわけでない。朝、天気が良かった。前日の朝日岳頂上は展望がなかったし、38年前もそうだったと思う。そこでまず山頂に向かった。
山頂からの展望はというと、東側(新潟側)に雲が多くて抜群ではなかったものの、文句は言えなかった。白馬が間近だったし、立山・剣・毛勝が堂々としていた。富山平野も見えたし、遠くは乗鞍と白山も。
もやもやとしたご来光の後、小屋に引き返し、預けてあった荷物をもらって北又へと下った。北又ダムの標高は660メートルくらいである。山頂から1750メートルの高度さを一気に下ることになる。朝日小屋からでも1400メートルの高度さがある。
栂海の逆コースはその高度差を登らないといけない。ゆっくり1泊かけ、アップダウンを繰り返して栂海新道を登るのか。逆に北又から朝日へと一気に登るのか。どちらが楽かと問われれば、それは一気に登るのが楽に決っている。登っている時は苦しいかもしれないが、勝負が早いから。つまり、すぐに時間が解決してくれるわけだ。
それはともかく、小屋から下ると、最初は湿原が点在する。そうこうするうちに1700メートル少しのイブリ山を越える。後はブナの多い尾根を一気に下ることになる。ダムのすぐ下で、北又谷を吊り橋で渡る。急な階段を登り、舗装された林道に出る。林道の少し上に立てられた北又小屋には立ち寄らず、そのまま小川温泉へと林道を登った。
林道は北又谷の支流を詰める。870メートルの峠を越えると、後は小川温泉に下るのみである。とはいえ、長かった。しかも、最初に書いたように、お目当ての温泉に入れないというおまけイベントまであったから。
写真は朝日岳からの白馬岳である。
2014/09/22