本日、財務省から法人企業統計のこの4-6月期の数値が公表された。とりあえず、それを鳥瞰して感じたことを記しておきたい。なお、この数値は国内企業の数値であることに注意したい。
以下、資本金10億円以上の大企業をとりあげる。大企業は景気動向に一番敏感だから。
最初に、全産業(製造業、非製造業の合計)である。
売上高は伸びているが、この4-6月期になって増加の勢いが止まった。季節性があるので確かなことは言えないものの、消費税の引き上げを考慮すると、減少に転じたようだ。消費税率引き上げ前の買い急ぎの影響がどの程度あったのかは、この統計からだけでは何とも言えないものの、芳しくないことだけは確かである。また、売上高に対する付加価値率(付加価値=営業利益+人件費+減価償却費)は停滞している。この率は、2012年後半をボトムに多少上昇しているものの、2010年?11年前半の水準を超えないまま、頭を打ってしまっている。
内訳として、製造業をみておきたい。
製造業の売上高のボトムは昨年7-9月期だった。それが早くも伸び率を低下させている。どうも、国内の製造業は元気がないように思える。この点は売上高に対する付加価値率に如実であり、昨年10-12月期以降、わずかであるが低下している。当然、売上高に対する人件費率も低下している(人件費の金額ベースもボトム水準で推移している)。というか、上昇が見られないまま、傾向的に低下を続けていると表現した方が正しいだろう。この点はきわめて問題だと言える。もっとも、この結果として(減価償却比率も低下していることから)、営業利益率は1-3月期まで上昇してきた。とはいえ、その水準はリーマンショック前をはるかに下回っている。
次に非製造業である。全産業から製造業を差し引いたものが非製造業だから、ある程度推察できるように、売上高は増加を続けている。もっとも、4-6月期にになって、その伸び率は低下した。付加価値率はリーマンショック前程度の水準で推移している。つまり、上昇しているわけでない。とはいえ、人件費率は低下しているから(金額ベースでも低下しているから)、営業利益率はかつてなく高い。なお、資産回転率が低下していることから、資産当たりの利益率は依然としてリーマンショック前を下回っている。
以上から言えることは、4-6月期の状況は思ったほど良くなかったということである。
内訳を分析したわけではないが、非製造業も公共工事関係を除くと、どうなのかと思える。消費税率が引き上げられた4-6月期以降、日本経済は要警戒の段階にあるのだろう。株価がそれを如実に示しているようだ。
2014/09/01