金融教育をいかに推進するかの協議に参加している。先日、その席に高校教員の出席を願った。曰く、偏差値の高くない高校では利息の計算ができない、生活が大変なので金融教育に関心がないとか。
こんな意見を聞きつつ、それはそうかと思った一方で、それでは格差の再生産、つまり貧乏が貧乏を生み、金持ちはますます金持ちになるのではとも思った。
日本の場合、貧乏といっても、世界的に見て裕福な生活をしている。日々、ひもじい思いをしているわけでない。だから、是が非でも金持ちになろうといの意欲がどれほどあるのだろうか。しかも、日本、とくに関東の文化は拝金主義を嫌っている。関西は拝金主義ではないが、「ゼニの華を咲かす」文化である。東京の文化が日本を支配しつつあるから、ますます若い世代の金銭感覚が鈍っているのではないか。
「えらい儲かりまっせ」なんて甘言にひっかかるとか、「オレオレ詐欺」にひっかかるなんて、関西人にとっては恥そのものである。村八分にはならないまでも、「あの人はお人好しやし」と片付けられる。ということで、関西の文化は捨てたものではない。
中国に対抗できるのは関西文化だろう。その中国はインドにはかなわないし、インドもイスラエルやレバノンのしたたかさには負けるとか。それでは、関東中心の日本とは何なのか。「いちころやな」。
いずれにせよ、貧乏の再生産をしないためにも金融教育は必須である。この考え方は先進国の間で常識になりつつあるらしい。日本だけが取り残されつつあるとのことだった。
金融教育、すなわちお金とは何なのか、貯めたお金をどうすれば将来有効に使えるのか、逆にお金を借りるときの注意はというように、教えないといけない。これが拝金主義でないことは明々白々だと思うのだが。
でも考えてみれば変な世の中である。僕らの小さい頃は、父親、母親がそれくらいのことは教えてくれた。そんな文化はどこに行ったのか。そもそも日本全体にはなかったのか。
2014/09/02