今日、年金シニアプラン総合研究機構で講演会があった。僕は後半のパネルからの参加だった。いい機会なので、年金資金運用に関して最近の雑誌等に書いた議論の要点を述べた。
実のところ、パネルでの発言はほとんどその場で考えている。他のパネラーとかみ合わない場合があるし、司会者によってはテーマが変更になることがあるので。今日は(今日も)、その場で話すことを考えたため、どうしても最近書いたものに近くなってしまった。
テーマは何かというと、年金財政の検証に関する意見、女性の雇用促進に関するコメント、投資家と企業経営の関係(このブログでも取り上げたスチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コード)へのコメントが主たるものだった。
その場で思いついただけにもかかわらず、気に入った自分自身の発言は、「従業員の権利でもある有給休暇を完全に消化できていないのに、育児に関する休暇制度を作ったとしても、それが形式だけに終わらないかどうか」、「子供の数を増やしたいのであれば、企業の東京集中を改めるべき」というものである。
それはともかく、後で聴衆として参加していた知り合いと少し議論した。議論の対象は、株式投資に関してグローバルなスタンスを積極化すべきとの僕からの提案だった。それに対し、「(内外株式を一体的に運用したとすれば)海外株式投資が増えるわけだが、その為替ヘッジをどうするのか、できない可能性がある」との反論(公的年金から提示されるだろう反論案の提示)がなされた。
これに対する再反論の方法はいくつかある。
まともに議論すれば、「徐々に海外株式投資を積み上げ、ヘッジすれば可能ではないか」、「国民の資産を守るため、たとえ外貨運用になったとしても、それで分散投資が効くではないか」というのが柱となろう。
もう1つは、「そもそも、そんな自由の効かない運用って意味があるのか。たとえば、投資パフォーマンスが悪いと思っていても、仕方なしに国内株式の石も玉も一緒に買うなんて、砂が混じった米を我慢して食べるのに似てるんではないか(分かりやすく言えば、ミソもクソも一緒に投資してどうするんや)」という反論である。
ということで、反論案を提示してもらって、今日は有意義だった。
2014/09/08