川北英隆のブログ

日本の株価が安すぎるって

最近の日経新聞の株価に関するスタンスには気迷いがある。上がる、上がると言い続けて、それがなかなか実現はしなかった反動なのか。いずれにせよ、株価水神の再度のチェックが求められる。
今日、世界各国の株価水準に関する指標を比較してみた。結論は、欧米の株価と比べ、日本は安くもなく高くもないというところか。
実数を示しておきたい。PER(株価/収益率、実績ベース)は、アメリカが16.1倍、欧州の代表であるドイツが13.0倍である。これに対して、日本は14.5倍である。欧米の中間に位置していることになる。PBRで比較すると日本の株価は安いが、何回も書いたようにPBRでの比較は正しくない。
今日のPERは日米欧の経済の力を反映しているのだろう。アメリカが高いのは経済の回復力からして仕方ない。ドイツが低いのは欧州経済の行方が不透明だからである。このように考えると、現在の日本の株価は居心地の良いところにある。ここから先、上がるのかどうかは、多くはアメリカ次第なのだろう。
ということで、日本に独自の株価上昇要因があるのならともかく、現状は上がるところまで上がったと思える。円安の進行は株価に対する支援要因なのだろうが、どこまで喜んでいいものやら。
表現は悪いが、円安は歯槽膿漏と同じである。ゆっくりとした円安で株価が上がったとしても、根っこから見ると、円の購買力が低下してしまう。美味いワインが高嶺の花となるわけだから。美味いワインをいつまでも飲みたければどうすればいいのか。これは自明だろう。

2014/09/26


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