GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオの見直しを決定、公表した。ポイントは、内外の株式がともに25%、外債15%、国内債券35%と、大きく引き上げられたことにある。
これまで、それぞれが12、12、11、60%だったから、様変わりである。しかし、これで日本の株式が上がるかどうかは不明である。
日経新聞が今日の朝刊に、誰かが故意に漏らしたのだろう、確度の高い情報を掲載したにもかかわらず、午後の最初(13時前まで)まで大して反応していなかった(その後は会議に出たので不明)。10/18の同じ日経の観測記事にも(多分誰かが流したアドバルーン記事)への反応も大したことがなかった。今日の株価の大幅な上昇は、GPIFではなく、「日銀追加緩和サプライズ」である。
もう1点、これは計算するとすぐに判明するのだが(実際に僕もGPIFのために今日特別に開催された独法評価委員会の場で一番に計算したのだが)、基本ポートフォリオにはその配分比率に上下の乖離許容幅が付いていて(国内株±9%、外国株±8%、外債±4%、国内債券±10%)、多分、国内債券以外は新たな配分比率の許容乖離幅の範囲に収まっているだろう。つまり、相場を見つつ、新しい基本ポートフォリオに向けて、ゆっくりと調整を図ることができる。問題は許容乖離幅を超えていると思える国内債だが、これはGPIFがいくら売っても、日銀ががんがん買ってくれる。
そもそもGPIFの基本的な投資方針は、「市場に急激な変動を及ぼさないこと」にある。今回の情報が複数回にわたり、日経新聞にリークされた事実も、好意的に解釈すれば、サプライズを分散することにあったのかもしれない。
もう少し言えば、サプライズを政策目標とする日銀が、GPIFの追い風に乗って追加緩和を打ち出したとも考えられる。
2014/10/31