今日、故あって京都の松茸の老舗、「とり市」を訪ねた。毎年、宝が山と並ぶ。とくに丹波産の最盛期には「よくぞこれだけ」「取れるところでは取れるのや」と思う。今日もその光景を期待していた。
今年も時々、通勤がてら店の前を通り、入荷を確認していた。9月は長野産と書いたのが並んでいたが、10月に入って何の表示もなくなった。地場ものの入荷が始まったのだと思っていた。毎年、10月中旬が最盛期、土日は見物の観光客で混むことを思い出し、今日の午前中に時間を見つけて立ち寄ったわけだ。
ところが、店にはさっぱり松茸が並んでいない。「時間も早いので、まだ店頭に出す準備中かな」とも思い、店の前でおばちゃんと何やら話していた店員さんに「松茸は・・」と質問した。すると、「今も話していたのやけど、こないだの台風の後、さっぱりあがらないので」「一生懸命探してやっとこれだけ」と、ぱらっと店頭に並んだ松茸を指さした。
物がないと仕方ない。「来週に期待して」と店を出た。
京都に住んで11回目の秋になるが、とり市の店先が今日のように寂しい秋はなかった。とり市は筍と松茸の季節商売と言っていいくらいの店である。今年の状況だと儲からないのではないか。他人事ながらそんな心配までしてしまう。
来週もまた台風が来そうである。このまま京都の松茸は不作で終わるのか。
2014/10/09