川北英隆のブログ

株価は波の間の間のカモメ

最近の株価変動が激しい。知り合いの日経の記者に「大変では」と質問したところ、「書いたすぐ後で反対の方向に動くのでね」との返答だった。いつも批判しているものの、記事とはそんなものだろう。
要するに、新聞記事の多くは短期投資家向けのものでしかないようだ。とはいえ、その知り合いの記者はもう少し中期的な経済の流れを取材するため、何回かアジア諸国を訪問しようと計画しているらしい。是非とも、いい記事を書いて欲しいものだと願っている。
それはさておき、最近の日々の株価変動を見るたびに思うのは、日本経済が世界経済を主導していないことである。世界が動き、それにつられて日本の株価が動く。これが今日の経済の姿である。
少し論理を展開して考えれば、日本が世界を主導していないのなら、日本株を買う必然性はない。というのも、ほとんどの日本企業が最先端にいないから、主導力がない。世界の最先端の企業を買うのが投資家として正しい選択であり、血湧き肉踊ることになる。反対に日本企業はそんな最先端企業が立てる波に翻弄されるだけである。いわば、波の間の間のカモメである。
投資対象として考えれば、最先端企業がもたらす利益は膨大になりえる。ハイリスク・ハイリターンというわけだ。
では反対に、最先端企業でない場合、たとえば日本企業のように最先端企業に部品を供給する場合は、ローリスクとは言わないまでも、ミドルリスク・ミドルリターンになるのか。思うに、ミドルリターンは確かだろうが、リスクは高いと思う。多くの日本の部品メーカーにとって、親分である最先端企業が倒れれば、一緒に倒れてしまうのだから。
とはいえ、そんな親分とリスクを共にしなかった企業もある。それは、納入先としての最先端企業を逆に操った企業である。こういう企業は、むしろ、単なる部品企業ではなく、最先端企業の1つとして、製品の最先端企業と互角にわたりあえる企業なのだが。
いずれにせよ、最先端企業を探し、投資するのが投資家としての本領だろう。日本企業にも、現時点において数は少ないだろうが、最先端企業があると思えて仕方ない(実際にあるのだが)。

2014/10/27


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