いろいろとあり、2014年10月の貿易統計のコメントを今頃アップすることになった。僕自身の関心が高いので、発表当日に財務省のサイトをちらっと見てみていたのだが。
今回の貿易統計には少し驚いた。というのも、輸出が思いの外、増加していたから。それにもかかわらず、輸出入差額の赤字幅は7月以降、4月連続で1兆円程度の水準で推移している。多少の輸出の増加では貿易赤字が縮小しない。
10月は季節的に輸出が増加する月に当たっている。とはいうものの、この季節性を除去しても、10月の輸出数量は増加した。10月単月だけのことだが、2012年前半の水準に戻っている。輸出を品目別に見ても、主要品目は全般的に好調だったようだ。価格も円安の効果から上昇しているため、輸出総額も増えている。
一方、輸入も高水準にある。輸入量はピークよりも少し低くなったが、底を打った様子がうかがえる。輸入価格は10月に持ち直した。円安の影響があるものと考えられる。
現状は輸入が輸出よりも多い。この状態において、輸出入が同じ率で増えたとすれば、輸出入の差額(輸入超過額)は増大する。10月はこの影響があったのだろう。輸出が久々の増加率を見せたにもかかわらず、輸出入差額の赤字が減らなかった要因の1つは、これである。
11月も輸出が増えるのだろうか。10月の輸出の増加には、これまで芳しくなかった反動もある。11月の数値から、本当に輸出が増えるのかどうかが見えてくるだろう。
2014/11/25