今日、和歌山大学で証券経済学会があった。和歌山大学に行くには初めてである。市内にあるとばかり思っていると、中心部から離れていた。同時に、11月の証券経済学会には密かな予感もあった。
高校時代の友達が和歌山大学を卒業していたし、僕の博士課程の社会人学生も和歌山大学出身である。だから、どんな所か期待していたのだが、元々の場所(和歌山城にあったとか)から離れて何年も経過していたのは残念だった。しかも、1年前まで、大学の前には鉄道の駅がなかったとか。
今は南海電鉄の特急が「和歌山大学前」に停車する。それでも、起伏のある道を10分以上歩かないと着かない。もっとも、キャンパスから海が見える。津波からも遠い。それに和歌山の市内から延々離れているわけでもないから、まあまあの立地か。
学会では僕を含めた4人で「アベノミクスと証券市場」と題し、それぞれが30分喋った。その後、パネルディスカッションをした。
面白かったことを2つ記録しておく。
1つは、元慶応大学の吉野直行さんが、公的年金に改革に関して確定拠出年金的な制度の導入が望ましいと、GPIFのポートフォリオについての質問にコメントしたことである。僕と同じ意見の識者が登場することは嬉しいかぎりである。
もう1つは、京都大学の翁邦雄さんが、ゼロ金利を続けた結果としてインフレが実現すると、実質金利が極端にマイナスになり、金融政策の矛盾が生じることと、金利が上昇すると日銀が何十兆円という含み損をかかえ、その損失処理が社会的な問題になりかねないことを指摘した。金融政策のいわゆる出口問題を考える上での論点の整理である。
それに加えて余談ながら、11月の証券経済学会では3年前、忘れられない事件があった。京都産業大学での大会において、今回と同様、30分の講演とパネルのメンバーとして登壇していた最中、父親の死去の連絡があった。そこで、「今回も・・」と少し思っていた。まだ両方ともに母親が残っている。それも、今年に入って5、7、9月と親戚の葬儀があったものだから、「11月に何かが起きるのでは」となおさら思っていた。
そんな予感に反して、今日は何もなかった。少し残念なような気もするが(アホんだらかな)、これが現実である。明日から、予定していたロンドンにゆっくりと出かけられる。これが収穫である(そもそも、そのはずだっただけだが)。ということで、「良かった、良かった」である。
2014/11/02