川北英隆のブログ

日本のガバナンスはどうなのか

コーポレートガバナンスの議論が煮詰まり、近々その方向性が公表されるらしい。それは良しとして、では日本という国のガバナンスはどうなのか。参議院選挙の違憲状態に関してつくづく思う。
今の日本政府は、他人のことはとやかく言うのに、自分のことは何もできていない。11月26日、2013年7月の参議院選挙について最高裁が、えらく遠慮して選挙の有効性は認めたうえで、「違憲状態にある」とした。高裁では違憲もしくは選挙無効の判決が出されていた問題である。衆議院についても2012年12月の選挙に対し、最高裁は違憲状態だと判決している。
政府は、というか政府を動かしているのは国会議員であるのだから、その国会議員の動きはあまりにも遅い。怠慢である。それに比べて、政府が民間に対して口出しするのは素早く、しかも高圧的、ともすれば刹那的な印象もある。どうなっているのか。要するに議員を選ぶ国民が無関心すぎるから、議員が議員自身の選出方法に関して怠慢なのだろう。
いろいろ議論をしても始まらない。国会議員に対して「とっととしろや」としか言えないのだが、この問題に関して積極的な野党も見当たらない。だから、この12月の選挙での投票基準になりそうもない。一国民として一票の格差に関心があっても、その関心を表現できないわけだ。
こんなことでは、日本の政治に未来はないのでは。政治に未来のない日本とは何なのか。多分、そんな日本は今のところ非常に良い国なのだろうが、実際は良い国のままじわじわと衰退し、どこかでどんでん返しを食らいそうな気がする。
そのどんでん返しが実現しないか、もはや良い国かどうかも判断できないほど僕自身耄碌した時期にどんでん返しが生じてもらいたいものだと願っている。
国政選挙に関する一票の格差問題が叫ばれて何十年が経過したのか。それすら簡単に思い出せないくらいだから、日本のガバナンス問題は企業のガバナンス問題よりも、もっと根の深い問題である。馬鹿馬鹿しくて調べる気もしない。

2014/11/28


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