学生の就職活動時期を少しでも遅らせ、学生の本来の目的、勉強に時間の多くを割いてもらおうとのことで、会社訪問や内定時期を遅らせたはずの今年3回生の就職活動だが、大きく破綻している。
「インターン」と狡くも名付けた「実質的な会社訪問もしくは会社側から学生への接触作り」が、この夏前から延々と行われている。景気の水準が高いために雇用環境が逼迫し、これを受けて企業側が焦っているのだろう。しかも、大曲りなりにもインターンだから、単純な会社訪問と違って拘束時間が長い。これでは学生は、今まで以上に勉強ができなくなってしまう。
ゼミ生を見ていても、「インターンに呼ばれたので」と休んでしまう学生が目立つ。
現役社会人の大学院生に聞いても、「今年は去年以上に(企業側として)就職活動の対応に時間を取られている」とのことだった。いかにも「こんなん、(会社にこき使われるの)堪忍や」というインターンへの感情が込められているように思えたが。
それでいつもながらに思うのだが、厚労省、文科省、それと経済団体は何をしているのだろう。実態を知っているのだろうか。日本企業のインターンなんて形ばかりの、違法ではないものの社会道義に反する行為、もう少し大袈裟に表現すれば「企業の社会的責任」に反する行為をした企業名をきちんと公表すべきである。それに対して企業側も、本当にインターンなら、堂々と反論すべきである。
また、インターンと称して学生を呼ぶのなら、学生にとっては課外授業の範囲であるから、土日や休日にすべきだろう。講義と重なっていることを百も承知で平日に学生を呼ぶなんて、「おんどりゃ、ええ度胸してるやんけ」てとこだ。それとも、大学の教員を本気でバカと思っているのか。はたまた、人事関係職員の休日出勤手当をケチっているのか。大学の教員だって土日に仕事をする時代であるのに(もっとも、教員に対する休日出勤手当なんて、少なくともK大学に関しては一切ないが)。
こっちもそんなに暇ではないので、どの企業が学生を堂々と呼び出したのか、調査してはいないのだが。次からは、少なくともゼミを休む学生には、企業名を届け出るように指導してみようか。いいブログネタになりそうだ。
2014/12/04