川北英隆のブログ

アラビア半島の最貧国イエメン

ソコトラ島に入るには何箇所か経由する。今回はドーハ(カタール)、シャルジャ(UAE、アラブ首長国連邦)だった。ついでにシャルジャから同じUAEのドバイまで車で1時間なので見学した。
帰りは、後日に詳しく述べるものの、ムッカラ(イエメン)、フジャイラ(UAE)、シャルジャ、ドバイを経由した。
経由したアラビア半島の2国とイエメンは雲泥の差である。イエメンのアラビア半島側はムッカラの飛行場内だけしか知らないのでともかくも、ソコトラ島の中心の町、ハディーボでさえ舗装されていない箇所が多い(写真)。かつ、ゴミ(紙やペットボトル)が散乱している。紙類はヤギが食べているが。
イエメンはかつて栄えた国である。首都サナア付近は雨が降り、農業ができるらしい。農産物として、黄金と等しい価値を持ったという乳香も採れる。海では魚も採れる。しかも、エチオピアと向かい合う紅海側はもちろん、アラビア半島の下部に位置するアデンは世界的にも重要な中継貿易港だった。
現在、政治的な混乱もあり、アデンにはかつての賑はないらしい。現在のイエメン経済はわずかに産出する石油と天然ガスに頼っており、とくに輸出はその燃料関係がほとんど(84%、イエメン中央銀行)を占めている。1人当たり国民所得は1327ドル(2012年)であり、アフリカの中堅国並みである。
そんな国であるし、かつアフリカでの最大の混乱国、ソマリアに近いこともあり、またアルカイダの指導者だったビン・ラディンの父親の出身地でもあり、残念な状況にある。もっとも、ソコトラ島は本土と遠いことと、気候的な豊かさもあるのだろう、穏やかな様相だと感じられた。
260A0098ハディーボ中心部.JPG

2015/01/10


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