大学生の就職活動に関して、企業の横暴が目立つ。最近出会った例では、横暴を通り過ぎて、企業の考え方がきわめて浅はかなことに気づいた。こんなことでは企業を潰してしまうだろう。
日本の企業は人事が偉い。絶大なる権力を握っているから、人事経験者が社長にならないまでも、経営の中枢を占めることがよくある。そんな人事の担当者の水準を観察すると、企業の質も判明するというものだ。
最近出会った例とは、期末試験の時期に内定者を呼び出し、面談する大企業である。親しい学生が、「最終の講義日ですが、呼び出されたので休ませてください」「呼び出された翌日に先生の講義の試験があるので、拘束されている間に復習しておきます」と言ってきた。
その学生は幸いにも卒業に影響がなかったからいいものの、影響があれば、多分「追試」を申し出ただろう。その場合、最近の僕は強硬になっているから「就活を理由にした追試なんて認められへん」と断るか、「ほな、人事担当者の電話番号を教えてんか、そしたら日にちを変えたるから」かのどちらかで対応するだろう。
後者なら、クレームの電話を受けた人事担当者が「でもね」と嫌がれば、こっちとしてはさらに畳みかけて「ほな、あんたとこに内定している学生の卒業を担保するための追試せんとしゃあないし、追試の手間賃は大学から出ないんで、そっちにコンサルタント料相当のえらい高い、でもこっちとしては正当な請求書を送るで」となるだろうか。
そもそも学生を呼び出す必要があるとして、「何で学生を呼び出すのが平日なのや」と疑問である。土曜か日曜で十分ではないのか。その方が学生の勉強時間を減らさずにすみ、内定している学生の能力がアップするから、企業としてもハッピーである。
人事担当者の本音では、自分達が働きたくないから平日なのではないのか。「人事も、権力を笠に着ずにもっと働けや」「そんなことでは会社が早晩潰れるで」と思う。自己中心、学生という弱者をいじめる、もしくは弱者から甘い汁を吸おうという体質の企業なら、潰れないまでも、どこかで大失敗すること間違いなしである。
学生としても、そんな企業に内定したことを十分に自覚し、入社したとしても長居は無用と思って働くにかぎる。もしくは、早く偉くなって、そんなダメ企業の体質を変えることである。
2015/01/24