最近考えるのは、現在の日銀の金融政策に出口はないということと、そうであれば何に投資するのが賢明かということである。第二次世界大戦時の状況は知らないが、参考にすべき点がある。
日銀の金融政策の出口に関して、何人かと議論したが、何の破綻も伴わない出口はなさそうである。最終的なルート(超の付く円安が先か、インフレが先か)はともかく、現在の円という現金の価値が急落する可能性が大きい。その可能性を想定すれば、円での銀行預金をできるだけ少なくするのが望ましい。
では、円での銀行預金を取り崩したとして、それを何に振り向けるのか。念のために言えば、現金を引き出し、タンス預金にするのでは意味がない。振り向けるべき対象はインフレの影響をあまり受けない現物資産か、外貨建て資産だろう。日本株であっても、海外での活躍度合の高い企業も対象となりうる。
現在は第二次世界大戦時の状況と似ている点が多い。戦争時、日銀と政府の力でもって無理矢理に金利を低位に抑制していた。政府の赤字を日銀がカバーしていた。現在はそこまで酷くはないものの、遠くもない。なお、現在と当時との大きな違いは、日本の国土(住宅や工場)が爆撃によって壊滅的な被害を受けないことである。
世界経済がアメリカの回復によって曲りなりにも拡張しているからいいものの、すでにリーマンショックから6年以上経過した。世界経済の拡張がさらに5年以上続くと想定するのは楽観すぎるだろう。消費税の引き上げを延期した2017年まで持たない可能性さえある。
近々、何らかのショックによって世界経済が後退すれば、日本経済は大きな影響を受ける。その時、日銀と政府に切れる札が残っているのだろうか。
もちろん、以上の推論が杞憂に終わる可能性が皆無だとは言わないものの、出口の有無を鋭く問われる可能性が高い。関東大震災や南海トラフの地震よりも可能性が高いかもしれない。そうであるのなら、備えをしておくのが至当である。何に資金を向けるのかは、個人の好みだろう。
2015/02/02