川北英隆のブログ

名刺ごときで騒がないながら

続きである。名刺代ごときで騒がないと言いながら、また少しは元を取ろうとの思惑もないながら、名刺をブログのネタにしたら、これまで払った「チリ積も」ウン万円も成仏するかと思っている。
現在、国立大学の運営方針がどちらに向かっているのかと言えば、国内外を問わず、役所、企業、他大学との提携をすることで、研究や教育のレベルを上げることにある。言い換えると、いろんな組織の構成員と会い、情報交換することで、ネットワーク作りを行えという方針であろう。
そうだとすれば、当然、名刺も必要になる。名刺がなければ、住所や連絡方法(電話、メール等)を手書きしないといけない。誰もそんな面倒で惨めなことを、他人と会う度にしたくないだろう。
つまり、昔はいざ知らず、現在では名刺は大学での研究や教育活動のために不可欠なツールである。言われるまでもない、当たり前田のクラッカーだ(亡くなった俳優のセリフで、古すぎるか)。そんな重要な、しかし大した金額でもない名刺を自腹で作れと言われれば、怒らない教員は皆無だと思う。僕なんかは瞬間怒ったそのすぐ後で、「ということは、大学のためのネットワーク作りをやらんでもいいというのが、そもそもの大学の本音ベースなんやな」と推察し、小躍りしながら、国立大学の方針を後回しにした行動を起こしてしまうだろう。
この推察と行動は半分冗談だとして、実際のところ国立大学の運営方針はちぐはぐそのものである。誰が「名刺代は自腹」と決めたのかは知らないし、その探索に時間をかけるだけ損なので、知ろうとも思わない。でも、こんなちぐはぐなことでは、一事が万事、日本の国立大学の研究と教育の将来が思いやられる。

2015/03/03


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