今日の日経の文化欄に「学者のユートピア」と題した日曜日の雑感が掲載されていた。「何やろ」と思って目を通したところ、定年を迎えた教員が、研究室に集めた図書や資料の処分に困る話だった。
まさに切実な話である。僕も昨年頃から処分を開始している。一般雑誌や雑な資料は大量に捨てた。それでも、研究室にはいっぱい図書や資料が残っている。それに、狭い家に置けない趣味の(むしろ本気度のより高い)図書や資料も研究室に置いてある。それらの行き場をこの1年間で探さないといけない。
2年ほど前、図書係の知り合いの女性に、「定年になったら図書を引き取ってくれへん」と尋ねたところ、「もちろん、いいですよ」との返事だった。しかし、その女性は辞めてしまった。それに文系学部の図書受け入れの窓口が1つになり、えらく役人的になってしまっている。
ちゃんとした図書を持っているから、それにファイナンス関係の図書なら大学の図書館のものより質が高いとの学生の評価だから、受け入れてもらえるように交渉しないといけないと思っている。
しかし、である。ちゃんとした図書だけではない。そこらにごろごろしていそうな図書も多い。それらの処分は難問になりそうだ。学生に進呈しようかとも考えている。もちろん、整理が半ば程度に達してからであるが。つまり、今すぐに来てもらっても困る。
元に戻り、「学者のユートピア」には学者中心の老人ホームを作る話だった。筆者は本気らしいが(僕は途中までジョークだろうと思って読んでいたのだが)、変人の多い学者が同じ屋根の下で生活したら、それは大紛争ものだろうと感じてしまう。そうだから、そんな構想は実現しそうにないし、万が一実現したとしても僕は参加しない。
2015/04/19